八木節「国定忠治」

ページ番号1001884  更新日 令和5年2月14日

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  1. お国自慢は数々ござる
    四季の眺めは色とりどりで
    赤城、榛名に妙義の山よ
    今日ものどかな機織りうたで
    織はつむぎかあの銘仙か
    赤いたすきに姉さんかぶり
    咲いた牡丹に蝶々がとまる
  2. 尾瀬の浮島この世の花よ
    紅葉うつした吾妻川を
    行けば流れに湯のもやかかる
    四万で一夜よ草津で二夜
    気にはしやんすな北山おろし
    燃えて火となる浅間の山で
    今朝も三すじの煙がなびく
  3. 名残りおしさにお前もなくか
    青葉がくれに山ほととぎす
    ツツジ花咲く峠に立てば
    関東平野は緑の中に
    銀の帯ひく大利根川よ
    つづく名所は数々あるが
    関東名代の長脇差と
    音に聞こえた国定忠治
  4. 国は上州佐位郡にて
    音に聞こえし国定村の
    博徒忠治の生い立ちこそは
    親の代には名主をつとめ
    人に知られた大身なるが
    大事息子が即ち忠冶
    蝶よ花よと育てるうちに
  5. 幼なけれども剣術柔術
    今はようやく十五の年で
    人に優れて目録以上
    明けて十六春頃よりも
    博奕を張り始めから
    今日も明日も明日も今日も
    日にち毎日博奕渡世
  6. 負ける事なく勝負に強く
    勝って兜の大じめありと
    二十才あまりの売り出し男
    背は六尺肉付き太く
    器量骨柄万人優れ
    男伊達にて真実の美男
    一の子分が三つ木の文蔵
  7. 鬼の喜助によめごの権太
    それに続いて板割浅太
    これが忠治の子分の中で
    四天王とは彼らのことよ
    後に続いた数多の子分
    子分小方を持ったと言えど
    人に情は慈悲善根の
  8. 感じ入ったる若親方は
    今は日の出に魔がさしたるか
    二十五才の厄年なれば
    すべて万事に大事をとれど
    丁度その頃無宿の頭
    音に聞こえた島村勇
    彼と争うその始まりは
  9. かすり場につき三度も四度も
    恥をかいたが遺恨のもとで
    そこで忠治は小首をかしげ
    さらばこれから喧嘩の用意
    いずれ頼むとつわ者ばかり
    頃は午年七月二日
    鎖かたびら着込を着し
  10. さらばこれから喧嘩の用意
    いずれ頼むとつわ者揃い
    頃は午年七月二日
    鎖かたびら着込を着し
    手勢揃えて境の町で
    様子窺う忍びの人数
    それと知らずに勇親方は
  11. それと知らずに勇親方は
    五人連れにて馴染みの茶屋で
    酒を注がせる銚子の口が
    もげて盃みじんに砕け
    けちな事よと顔色変えて
    虫が知らぬかこの世の不思議
    酒手払ってお茶屋を出れば
  12. 酒手払ってお茶屋を出れぱ
    いつに変ったこの胸騒ぎ
    さても今宵は安心ならぬ
    左右前後に守護する子分
    道に目配ばせよく気を付けて
    目釘しめして小山へかかる
    気性はげしき大親方は
  13. 気性はげしき大親方は
    およそ身の丈け六尺二寸
    音に聞こえしかい力むそう
    うのつきかや今宵のかぎり
    あわれ命はもくずのこやし
    しかもその夜は雨しんしんと
    闇を幸い国定組は
  14. 今は忠治は大音声で
    名乗り掛ければ勇親方は
    聞いてニッコリ健気な奴ら
    命知らずの蛆虫めらと
    互い互いに段平物を
    抜いて目覚ます剣の光り
    右で打ち込む左で受ける
  15. 秋の木の葉の飛び散る如く
    上よ下よと戦う内に
    運のつきかや勇親方は
    胸をつかれて急所の痛手
    ひるむ所へつけ込む忠治
    首をかっ切り勝鬨あげて
    しめたしめたの声諸共だが
    オーイサネー

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