桐生新町重要伝統的建造物群保存整備事業について

ページ番号1003104  更新日 令和3年12月10日

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建造物の保存整備に関する補助金について

桐生新町重伝建地区は、絹織物業で発展した町桐生の象徴的な存在として位置づけられ、絹織物業により培われてきた町の履歴を示す多種多様な伝統的建造物が町並みを構成しています。
歴史的な町並みの景観を保存していくため、伝統的建造物の修理工事や伝統的建造物以外の建物の修景工事等について補助金を交付します。
注:補助金は町並みの維持や向上のために行われる工事について交付するものです。通常の維持管理を目的とした工事は補助金の対象になりません。

町並みの景観とは

建築物(倉庫やカーポート等、簡易なものも含む。また、古い建物だけではなく、新しい建物も含みます。)だけではなく、工作物(塀や門、看板等)・土地の形状・樹木・土石等も含めて景観を形成している全てのものです。
また、桐生新町重伝建地区は歴史的な景観を保存する地区のため、道路等から見える場所にソーラーパネル(太陽光発電)・カーポート・物置・エアコン室外機・エコキュート等、現代的な建造物や設備を設置することが出来ません。
ご理解ご協力をよろしくお願いします。

伝統的建造物(建築物)の調査

伝統的建造物は建築されてから永い年月を経過しているため、目に見える部分だけではなく、見えない部分についても破損や経年劣化していることが考えられ、更にシロアリ等病害虫の被害も発見されています。
そこで、建物全体の劣化状況と合わせ、建築当初から現在までの改修履歴など、建物の移り変わりについても調査を行い、総合的に修理の検討をする必要があります。
また、建物全体の状況を把握することにより、効率的に修理が行うことができ、修理費用の削減も期待ができます。
詳細については以下のページをご覧ください。

伝統的建造物の修理工事

伝統的建造物とは保存すべき建物として所有者の同意を得て、桐生新町重伝建地区保存審議会で承認された歴史的建造物です。
伝統的建造物の修理を行う場合は、『修理基準』が適用されます。修理基準の内容は、「現状維持もしくは復元のための修理を行う」です。文化財である伝統的建造物については、建築当時の姿が尊重されますので、当時のままの箇所は『現状維持』、改造されている箇所については当時の形に戻す『復元』を行います。従って周囲の景観に合わせる事は不適切であり、形状に変えることは基本的にできません。
例えば世界遺産である富岡製糸場の場合で説明すると、

  • 現在の建物に最新の工場を増築した場合、世界遺産ですか?(文化財的価値が上がりますか?)
  • 現在の建物を取り壊し、同一の材料や寸法で新築した場合、世界遺産ですか?(文化財的価値が有りますか?)
  • 当時と同じ煉瓦ではなく、現代的な煉瓦調サイディングで修理した場合、世界遺産ですか?(文化財的価値が維持されていますか?)

以上のことは極端な例ではありますが、伝統的建造物はこの様な考え方のもと修理を行います。建築当時の姿に戻すことを基本にして、改造ではなく、あくまで修理を行います。全ての材が新しいものになってしまっては文化財ではなく模造品です。腐朽などで使えないものを除き、使用されている材の交換は極力行いません。止むを得ず行う場合でも、木材は丸ごと一本ではなく、腐朽している部分のみ切断し、新しい材を継いで使用します。
新しい材を使う場合は当時と同様・同寸法の材を極力使用します。
この様な修理を行うため、事前の調査が重要なのは勿論のこと、施工中の調査も大変大事になります。改造されている箇所は当時の写真や図面があればそのとおり修理します。それらが無い場合は材の痕跡で計画し、施工に伴う解体を行った段階で改めて痕跡調査を行い、調査結果に基づいた計画の変更を行います。不適切な調査に基づく修理では建築当時の姿に戻らないことになり、不要な工事により文化財的価値が下がることに繋がりかねません。
また、必要に応じて構造補強を行い、伝統的建造物が損傷しないようにします。
なお、伝統的建造物の解体は火災で全焼や地震で全壊など、文化財的価値がなくならない限り原則として認められません。

伝統的建造物以外の建物の修景工事

桐生新町にある建物は、全てが伝統的建造物というわけではなく、当然、昭和30年代中頃より後に建てられた建物もあります。桐生新町の町並みを後世に継承するため、伝統的建造物以外の建物も基準に沿った改築や新築を行うことになります。このときに適用されるのが『修景基準』です。和風の建物であれば良いという意味ではなく、平成20年度に実施した保存対策調査の結果を基に、桐生新町の一般的な伝統的建造物のあり方を示した基準で、修景とは、景観を整えるという意味を持ちます。桐生新町にある建物は全部で約430棟ありますが、伝統的建造物は180棟ほどで約4割しかありません。つまり、桐生新町の景観は伝統的建造物だけでなく、それ以外の建物も大きな要素になっています。このため、新しい建物も修景基準で修景していただき、桐生新町の町並みを維持、向上していくことが非常に重要なことです。

許可工事について(保存整備事業対象外)

伝統的建造物以外の建物の改築や新築を行うときに、どうしても修景基準に拠ることができない場合などは『許可基準』で工事を行って頂きます。桐生新町の景観を守るうえで最低限守らなければならない基準として定められており、周囲の歴史的な環境と調和が図られたものしか許可されません。また、保存地区内の土地形質の変更や竹木の伐採、土石類の採取なども規制の対象となっており、特に竹木の伐採は、日常的管理として行われる枝打ちや剪定などを除き、基本的に許可が必要になります。許可基準は修理基準や修景基準と比較すると緩やかな基準でありますが、補助金の使用が出来ない工事です。しかし、手続きが必要となりますので、詳しくは以下のページをご覧下さい。

建物内部について(保存整備事業対象外)

保存整備事業は外観の保存のために行うことであり、伝建制度では建物内部については規制がありませんので、伝統的な畳や土壁をフローリングや壁紙にしても全く問題がありません。建物内部の規制がないことは他の文化財制度にはない、伝建制度の特徴であり、お住まいになる方の生活スタイルに合わせたリフォームや店舗等への改修も可能ですので、末永く伝統的建造物を維持して下さい。

保存整備事業の補助制度概要

種類 補助対象となる建築物等 補助対象 補助率 補助限度額
修理 伝統的建造物 保存計画の修理基準に基づき実施する外観に関する修理工事や、構造体力上及び防災対策上主要な部分の修理及び補強工事。 建築物:80%以内
工作物:80%以内
建築物:800万円
工作物:300万円
修景 伝統的建造物以外の建造物 保存計画の修景基準に基づき実施する歴史的風致に調和させるため行う工事。ただし、道路・公演・広場等から望見できる部分に限ります。 建築物:60%以内
工作物:60%以内
建築物:600万円
工作物:150万円
復旧 環境物件
(保存すべき樹木等で、所有者の同意を得て桐生市伝統的建造物群保存審議会で認められ指定をしたもの)
保存計画の修理基準に基づき実施する現状維持または復元のために行う事業。 50%以内 50万円
管理 建築物等 保存地区の保存のために特に必要な設備等を配置する事業。 90%以内 100万円

 注:補助金額については国や県その他の団体からの補助金、寄付金、保険金等がある場合は、その金額を除いた額になります。

保存整備事業を行える人

建築物等の所有者や、管理責任者が行えます。
複数人いる場合は、選任された代表者一名が行えます。
注:申請者や保存整備事業を行おうとしている建築物等の納税義務者が市税等を滞納している場合は保存整備事業を行うことが出来ません。

保存整備事業の流れ

補助金については事前の準備や、文化庁及び群馬県との協議、桐生市伝統的建造物群保存審議会への諮問等が必要となるため、以下の流れにて行います。
補助金を利用するには事前の調査と計画が非常に重要となり、それらを反映させた計画書、図面、設計書等の書類作成が必要になります。

保存整備事業の流れ

(1)随時

補助金を利用した保存整備事業を行うことを重伝建まちづくり課へ相談して下さい。
(所有者等から市)

(2)事業前年度3月から

建築士や施工業者等に依頼して保存整備事業の計画書(図面や見積書等)を作成して下さい。
注:これ以前に作成されていても問題はありません。また、所有者等でも計画の作成が行えれば申請は可能です。
(所有者等から建築士等)

事業前年度7月まで

計画書を提出し、市と事前協議を行って下さい。
了承した計画のみ、次に進みます。
(建築士等から市)

(3)事業前年度 8月頃

計画書について市が文化庁及び群馬県と協議を行います。
また、文化庁・群馬県・桐生新町重伝建地区保存審議会委員が現地確認を行います。
指摘事項があった場合は修正を行って下さい。
(市から文化庁・県・審議会委員)

事業前年度 9月頃

桐生新町重伝建地区保存審議会へ諮問します。
注:これ以降は計画書の内容変更は行えません。
(市から審議会)

事業前年度 11月まで

審議会から同意を得られた事業については国庫補助事業申請に必要な書類を提出して下さい。
(建築士等から市)

事業前年度 3月まで

市が国庫補助事業の手続きを行います。
(市から文化庁・県)

事業年度 4月頃

文化庁から市へ国庫補助事業の交付決定通知があります。
(国から市)

交付決定通知から2週間以内に補助金交付申請書を提出して下さい。
注:併せて現状変更行為許可申請を行って下さい。
(建築士等から市)

(4)事業年度

市から補助金交付決定通知及び現状変更行為許可がありましたら工事着手して下さい。
(建築士等から市)

事業年度 工事着手後

解体工事後に下地や痕跡等の状況について建築士等と桐生市が現場確認を行います。
注:桐生市が下地や痕跡等を確認していない状況で施工がされた場合は、十分な確認が出来る程度まで再度解体していただきます。

(建築士等から市)

事業年度 工事着手後

下地や痕跡等の状況により計画の変更が必要になります。
(建築士等⇒市)

条件を満たした場合は、補助金の中間払いが行えます。希望される方は申請を行って下さい。
(建築士等から市)

事業年度 2月まで

工事が完了したら、実績報告を行って下さい。
注:併せて現状変更行為完了届を提出して下さい。
(建築士等から市)

(5)事業年度実績報告後

事業内容が適正に執行されたと認められて場合は、補助金の交付を行います。
注:不十分または不適切な施工があった場合は補助金一部または全額の支払いが出来なくなる場合があります。
(市から所有者等)

イラスト:平成28年に補助金を利用する場合の参考例

補助金交付要綱の改正について

平成26年4月1日に改正を行いました。
以下のページをご覧下さい。

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