動物園の動物は冬眠する?しない?(令和元年12月25日)

ページ番号1016317  更新日 令和1年12月25日

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2019年も終わりに差し掛かりました。

今回は動物の冬眠のお話。
動物園の動物は冬眠する?しない?そもそもどうして冬眠するのか。

クマの冬眠のイメージイラスト

 

冬眠をする最大の理由は簡単、「生き延びるため」です。エサを確保するのが難しい冬の季節を生き延びるため、極力動かないようにすることで身体のエネルギー消費を抑え、冬を凌ぎます。

冬の過ごし方は動物の種類によって様々です。
冬が到来する前に沢山の食べ物を食べ、身体に脂肪を貯蓄し冬眠、または冬を越す動物。冬に食べる用のエサを巣穴などに確保・貯蔵し冬眠を行う動物。また鳥類の多くは暖かい場所を求めて「渡り」を行います。

冬眠の仕方も動物の種類によって様々です。
まずは恒温動物と変温動物による違いです。

変温動物とは、気温や水温によって体の温度が変化する動物たちのことです。爬虫類や両生類、昆虫などが含まれます。
変温動物は温度が一定まで下がると活動が鈍くなり、仮死状態となって動くことが出来なくなってしまいます。ヘビやカエルの仲間たちはそうなる前にエサを沢山食べ、土の中や岩の隙間等温度の低下や変化が少ない場所でじっと春を待ちます。
昆虫の越冬については、以前のよもやまばなしで触れたので、そちらをご覧ください。

恒温動物とは、気温や水温に左右されずに一定の体温を保つことが出来る動物たちのことです。ほとんどの哺乳類と鳥類がここに含まれます。ナマケモノ等の一部の動物は、哺乳類ですが変温動物に分類されます。

冬眠する恒温動物たちでも、冬眠の仕方に違いがあります。
シマリスは巣内にエサを貯蔵し、体温を10℃以下まで下げ冬眠を行います。
ヤマネは冬眠前にエサを大量に食べ、体重は通常の倍近くになるほどの脂肪を、体内に貯蔵します。そしてなんと体温を0℃近くまで下げて冬眠します。
体温が下がった状態のシマリスやヤマネは、エネルギー消費や心拍数が通常の数十分の一まで下がっていると言われます。しかしずっとその状態という訳ではありません。数日おきに体温が通常まで上がり目を覚まします。そうして排泄をしたり、貯めていたエサを食べ再び眠るというサイクルを繰り返します。

対してその他の冬眠するげっ歯類の仲間やクマなどの動物の冬眠は、ヤマネやシマリスに比べそこまで体温は下がらず、通常の体温より数℃下がる程度と言われています。
クマの場合は、冬の前までに貯蔵した脂肪を分解してエネルギーとします。眠りも深くないため、ちょっとした刺激等で目を覚ましてしまうそうです。そのため冬眠というよりも、冬ごもりと呼ばれる場合が多いようです。

勿論冬眠を行わない動物もいます。日本ではシカやノウサギ、キツネやテンなどが該当します。これらの動物も冬までに蓄えた脂肪を消費しつつ、冬場もエサを求めて動き回っています。

動物園の動物は冬眠するのか、しないのか。もうお分かりですね。
動物園の動物たちは、冬眠しません。季節を問わず安定してエサを得られるため、冬眠する必要がないのです。

動物舎に張られた風除けのシートの写真
風除けシートを張られた動物舎

冬場は保温ライトを当てたり、風除けのシートを張るなどして防寒対策を行っている動物舎が幾つかあります。
普段よりも見えにくい動物もいますが、ご理解の程よろしくお願いいたします。

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