お仕事の裏側「エサの工夫編」(令和2年2月28日)

ページ番号1016582  更新日 令和2年2月28日

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動物園でよく目にする飼育員のお仕事といえば、掃除をしている姿や動物にエサを与えたりする姿が思い浮かぶと思います。
しかし飼育員のお仕事はそれだけではありません。今回は普段皆さんから見えない裏側のお仕事を紹介したいと思います。

今回はキリンに与えるエサの工夫です。
桐生が岡動物園では、野菜やキリン用のペレット等も与えていますが、主食は乾草です。
乾草とは干して乾燥させた牧草のことです。これはキリンだけでなく、すべての草食動物の主食ともいえるエサです。

乾草には大きく分けると2種類あり、イネ科とマメ科があります。
イネ科にはチモシーやライグラス類、フェスク類などがあります。マメ科にはルーサン(アルファルファ)、クローバ類などがあります。
同じ乾草でも、産地や銘柄による違いや、1番刈りや2番刈りなどの違いがあります。それにより、葉つきの多さや茎の柔らかさ、タンパク質やカロリーなどが違います。
動物園では動物の種類、状態、年齢、性質など様々なものを加味して、入手出来る乾草の中からその動物に適したものを与えるようにしています。

 

キリンは主に、マメ科であるルーサンを与えています。1日あたりの給餌量は乾草だけで約12キログラム前後。
動物も人間と同じように、個体ごとそれぞれ餌の好みがあります、その時の乾草の状態によって完食することもあれば、半分以上残ってしまうことも。
食べないものをただ与え続ければ、摂取量が足りずに動物は痩せていってしまいます。

そんな時はどうしたら食べてくれるか、食べさせることが出来るのか、チーム内で考え、色々な方法を実践します。与えるときの乾草のほぐし方を変えてみたり、押切機で裁断して一口大にして与えてみたり、ふるいにかけて乾草に混じっている粉や砂埃を落としたり様々な方法を試しました。

押切機で一口大に裁断された乾草の写真。
押切機で一口大に裁断された乾草
乾草をふるいにかける写真
ふるいにかける方法も試しました

今回はふるいにかける方法が良かったようで、8割近く残ってしまっていた乾草が、与える方法を変えると半分以上食べてくれるようになりました。

そうと決まれば、専用の道具を作成して、ひたすら乾草をふるいにかけていきます。
時間と労力がかかりますが、動物のために手間は惜しめません。

作成したふるいで乾草をふるいにかけている写真
1時間近くふるい作業を続け、粉まみれです

「普段と何か様子がおかしい」「なぜか餌をあまり食べない」「いつもより元気がない」
その小さな変化に気付くためには日々動物たちを観察し、どうすれば解決できるか、どうすればより良く動物たちを飼育出来るのか。そのことを常に考えることが大事なのです。

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