好きです、うんち。(令和2年8月3日)

ページ番号1017311  更新日 令和2年8月3日

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今回のよもやまばなしには昆虫の写真が載っていますので、虫が苦手な方はお気をつけください。
「うんち」という単語も沢山でてきますので、お食事中の方たちもお気をつけください。


ということで、みなさんこんにちは。
私は動物園の飼育員。今日も朝から日が暮れるまでせっせと動物たちのうんちを集めます。
丸いうんち、長いうんち。固いうんちに柔らかいうんち。液状のうんちや雨で溶けて地面と合体したうんち。
うんちは健康のバロメーター。いいうんちは元気の証。逆にうんちが出ていなかったり、下痢気味だったり、腸粘液や血が混じっていた日には、「どこか悪いのだろうか」と疑います。


今日もしっかり健康なうんちが出ているか観察していると、私の他にもせっせとうんちを集める生き物が

 

動物のうんちを運ぶカドマルエンマコガネの写真
ムフロンのうんちを運ぶカドマルエンマコガネ

そこにいたのは約1センチメートル前後の小さな昆虫でした。何やらムフロンのうんちをどこかへ運ぼうとしているようです。
他にもうんちに混じって動く影がちらほら
同じように小さな昆虫もいれば

五本のツノが生えたカブトムシのような昆虫の写真

立派なツノを持ったカブトムシのような虫も。ゴホンヅノカブトムシみたいですが・・・

ゴホンダイコクコガネの写真
五本のツノが特徴的なゴホンダイコクコガネ。

こちらも豆粒サイズ。このかっこいい虫もうんちに集まります。

センチコガネという虫の仲間の写真
綺麗な光沢をもつセンチコガネの仲間

先ほどの種類よりも一回り大きく、太陽の光に反射して赤や青、緑色に光る綺麗な体をもつ虫まで。

この昆虫たちは糞虫(ふんちゅう)と呼ばれる虫たちで、主に動物の糞を食べる、あるいは利用するコガネムシの仲間を指します。こんなに綺麗な見た目でも、カブトムシみたいにかっこいいツノが生えていても、うんちを食べうんちにまみれて生活しています。

「フンコロガシ」という虫の名前を一度は聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?
名前もさることながら、動物のうんちを丸めて逆立ちで転がすというユニークな習性は一度聞くとなかなか忘れられません。因みにフンコロガシというのは俗称で、主に糞虫のタマオシコガネの仲間を指します。
また余談ですが、古代エジプトでは、フンコロガシ(スカラベ)はとても神聖なものと考えられ、太陽の神様と同一視もされていました。

では日本の糞虫たちも、そのフンコロガシのように動物のうんちを逆立ちで転がすの?という疑問ですが、残念ながら日本にいる糞虫のほとんどがうんちを丸めて転がすという行動はしません。
日本に生息する糞虫の仲間で、唯一うんちを丸めて転がすのはマメダルマコガネという昆虫です。体長は約2~3ミリメートルとその名の通り豆粒のように小さな虫なので、なかなかお目にかかれません。
日本の糞虫の多くはうんちを転がすことはしないものの、地面や石の裏などに穴を掘り、そこにうんちを運び込んで卵を産み、生まれた幼虫はそのうんちを食べて成長します。

実はこのような生き物たちの働きというのは自然界においてとても大切な役割を持っています。
動物園にいる動物のうんちは、私たち飼育員が毎日掃除をするので、うんちで溢れかえることはありません。
では、自然界ではどうでしょうか?
動物がエサを食べればうんちが。死んでしまえばその死骸が。
植物の葉が落ちれば落ち葉が。木が枯れればその枯れ枝が。
どうして地球上にはこういったうんちや落葉落枝、生き物の死骸でいっぱいにならないのでしょうか?

といったところで今回はここまでです。 この先はまた長くなってしまいそうなので次回に説明したいと思います。

フンコロガシのお話はかの「ファーブル昆虫記」にもありますので、興味がわいた方は是非読んでみてはいかがでしょう? ファーブル昆虫記には、小さなお子さん向けに訳されたものもありますので、夏休みの読書感想文等の宿題にもオススメですよ!

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