お仕事の裏側「鳥の卵が孵化して育つまで」(令和2年7月2日)

ページ番号1017178  更新日 令和2年7月2日

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動物園のお仕事の裏側。普段皆さんからは見えない裏側のお仕事をお見せするコーナーです。
題して「しごうら」。第二弾となる今回の記事では、鳥の卵が孵化してから育つ様子をお見せします。
第一弾の「キリンのエサの工夫編」は下記のリンクから閲覧できます。

3月中頃に、アカツクシガモが卵を産みました。 アカツクシガモは、主にユーラシア大陸に生息するカモの仲間です。季節によって生息地を変える渡り鳥でもあり、冬季には越冬のため、希に日本にやって来ることもあります。
巣箱の中を覗いて見ると、床材として使っているチップや自らの羽毛を使って巣を作っていました。大きさはニワトリの卵より一回り程大きな卵です。

アカツクシガモの卵の写真
アカツクシガモの卵

4月16日、合計6羽のヒナが孵化しました。
お母さんのルーシーとお父さんのチャーリーにとって初めての子育て。
ルーシーはヒナたちを体の下に入れて温めてあげたり、クチバシで羽繕いなどコミュニケーションを取り、愛情をたっぷり注いでいました。

孵化したヒナを体の下に入れて温める母鳥の写真
ヒナたちを体の下で温める母鳥(ルーシー)

チャーリーは、巣箱の周りで外敵が来ないか、少しそわそわしながら見張り番。

巣箱の周りで警戒する父鳥の写真
巣箱の周りを警戒しながら見張る父鳥(チャーリー)

動物の赤ちゃんには大きく分けて二種類。「早成性」と「晩成性」があります。 早成性とは、産まれてからすぐに自力で立つことができる動物たちのこと。身近な動物では、ヤギやウマ等の草食動物たちが該当します。
反対に晩成性とは、生まれてから自力で立つ等出来ず、巣内などで親に世話をしてもらう必要がある動物たちのことです。身近な動物では、ツバメやネズミ、私たちヒトも晩成性に該当します。

アカツクシガモを含めカモ類の全般は、前者の早成性に分類されます。孵化してすぐに歩くことが出来るので、外敵に襲われにくくなります。

親たちの後を追って歩くヒナたちの写真
孵化直後でも、自力で親の後ろを追いかけます。

また自力でエサを食べることが出来るので、親たちはヒナたちにエサを与える必要がないという利点があります。

親と一緒にエサを食べるヒナたちの写真
親と一緒にエサを食べるヒナたち。

アカツクシガモのヒナは、生後55日ほどで体の大きさが親鳥たちと同じ大きさになると言われています。育ち盛りのヒナたちが食べるエサの量は日に日に増え、生後20日になる頃には親鳥たちの2/3ほどの大きさまで成長しました。
顔つきも可愛らしいヒナから、カモらしい大人びた顔つきになりました。この頃になると親とは離れ、兄弟たちで固まっていることが多くなってきました。

生後20日ほど経過したヒナたちの写真
生後約20日ほどのヒナたち。

孵化したヒナたちは「幼綿羽」と呼ばれる綿のような羽が生えていますが、次第に大人たちと同じような羽に生え変わっていきます。
生後40日が経過した現在、幼綿羽は頭部にちょこっとだけ。あとは大人と同じ明るい茶色をした立派な羽へと生え変わりました。体もぐんぐんと大きくなり、6羽の兄弟たちも親鳥たちと同じくらいの大きさまで成長しました。

生後40日ほどのヒナの写真。
残すは頭部の幼綿羽のみ。立派に成長しました。

幼綿羽がすべて抜け、大人の羽が生えそろったら水鳥舎にて展示したいと思っていますので、お楽しみに!

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