干支にちなんで「ネズミ」のお話(令和2年1月24日)

ページ番号1016374  更新日 令和2年1月31日

印刷大きな文字で印刷

あけましておめでとうございます。
今年も皆様が楽しめるような記事を作っていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

2020年の干支は子(ねずみ)年。今回は桐生が岡動物園にいるネズミの仲間にスポットを当ててお話をしたいと思います。

テンジクネズミの写真

まずはこちらの動物。モルモットという名前で親しまれていますが、和名では「テンジクネズミ」といいます。
主に南米の草原に暮らす野性のテンジクネズミを家畜化したものがモルモットと呼ばれています。ふれあい等で一度は触ったことがある人も多いのではないでしょうか?

カピバラの写真

対してこちらも有名な動物だと思います。カピバラです。時々カピ「パ」ラと呼んでいる人がいますが、正しくはカピ「バ」ラです。
実はカピバラにも和名があります。和名では「オニテンジクネズミ」といいます。日本の動物名において「オニ」とは「大きな」といった意味で使われることが多いです。「オニヤンマ」や「オニグモ」、「オニオオハシ」等がそうですね。
つまりカピバラは「大きなテンジクネズミ」ということになります。どちらも「げっ歯(ネズミ)目テンジクネズミ科」に属する動物ですが、そっくりなところや、違うところがあります。

ではどこが同じなのか?どこが違うのか?見ていきましょう。

まずは体の違いから。
テンジクネズミの体長は約20センチメートル、体重は1キログラム前後です。対してネズミの仲間で最大となるカピバラは体長約110〜130センチメートル、体重は40〜60キログラムにもなります。
どちらもずんぐりとした体型で、一般的なネズミの特徴である尻尾はありません。
体毛はテンジクネズミはふわふわの柔らかそうな体毛に覆われていますが、カピバラの体毛はタワシのように太くて固そうな毛で覆われています。
水辺で暮らすカピバラは、濡れた体がすぐ乾くようにこのような特徴的な毛になっています。また水面から少し顔を出したときに、鼻と目と耳が同時にでるように一直線上に並んでいるのも特徴です。

テンジクネズミとカピバラの前肢の写真

テンジクネズミとカピバラの後肢の写真

続いて手足です。
テンジクネズミの仲間は前肢の指の数が4本、後肢の指の数は3本という共通点があります。
指の数は同じですが、カピバラの指の間には膜のようなものがありますね。これは水かきです。水辺で暮らすカピバラは泳ぎも得意で、この水かきをつかって器用に泳ぐことも出来ます。


同じテンジクネズミ科の動物ですが、暮らす場所や環境の違いでこのような体の違いが生まれます。
このように進化の過程で生物が、環境に応じて多様化することを「適応放散(てきおうほうさん)」といいます。
分かり易い例をあげるとオーストラリアの有袋類の動物たちです。
木の上で生活することを選んだのがコアラ。地上で暮らすこと選んだのがカンガルー。地中を使って暮らすことを選んだのがウォンバットです。

また先ほどカピバラの体の特徴で、「水面から顔を出したときに鼻目耳が同時に出るように一直線上に並んでいる」と書きました。その他に指の間にある水かきなど。これらは他の水辺で暮らす動物にもみられる特徴です。例とするとカバやワニなどがあげられます。
このように動物の種類や進化の歴史が違っていても、活動する環境や時間などが似ていると、同じような体つきや特徴を持つことがあります。これを「収斂進化(しゅうれんしんか)」といいます。
分かり易い例としては、ネズミ目のモモンガとカンガルー目のフクロモモンガ。哺乳類のイルカと魚類のサメ。どちらも似た体つきの動物ですが、異なる種の動物です。

少し難しいお話になってしまいましたが、同じ仲間の動物なのに違う姿、違う動物なのに似ている等、見比べてみるととても面白いです。
動物園のラベルには動物名の他に、○○目○○科といった動物の分類が書かれています。分類は、どんな先祖から生まれ、進化してきたかをたどってグループ化したものです。
この動物はあの動物と同じ仲間なんだ!どこが同じで、どこが違うのか?探してみると新しい発見があると思いますよ。


なお、寒い時期はテンジクネズミの展示はお休みしています。
また暖かくなったらぜひお越しください。

ご意見をお聞かせください

質問:このページの内容は役に立ちましたか?
質問:このページの内容はわかりやすかったですか?
質問:このページは見つけやすかったですか?

このページに関するお問い合わせ

都市整備部 公園緑地課 桐生が岡動物園
〒376-0056 群馬県桐生市宮本町三丁目8番13号
電話:0277-22-4442 ファクシミリ:0277-22-4442
お問い合わせは専用フォームをご利用ください。