動物の名前のあれやこれ(令和2年11月9日)

ページ番号1017595  更新日 令和2年11月9日

印刷大きな文字で印刷

キリン、ライオン…名前を聞いただけで、きっと殆どの方が「こんな動物」と想像出来るかと思います。
今回は動物の名前…「種名」についてのお話です。

動物が展示されている場所には、必ずと言っていいほど、動物紹介のパネルがあると思います。
動物園によって形式に違いはありますが、多くの場合、その動物の写真や生態、そして動物種名が書いてあるかと思います。

ライオンの展示ラベルのイラスト:ライオン 分類 食肉目 ネコ科 英名 Lion 学名 Panthera leo

これは、当園の「ライオン」の動物ラベルの切り取り画像です。

「ライオン」というのは和名です。和名とは、日本語での動物種名のことです。
例として、「ライオン」、「キリン」、「ヒト」といった感じです。

「Lion」とは英名です。英名とは、文字通り英語圏での動物種名のことです。
ライオンは「Lion」。キリンは「Giraffe」。ヒトは「Human」となります。

最後の「Panthera leo」は学名です。学名とは、世界共通の動物種名(学術名称)のことで、全てラテン語またはラテン語化された言葉で表記されます。
ライオンは「Panthera leo(パンテラ レオ)」。
キリンは「Giraffa camelopardalis(ギラッファ カメロパルダリス)」。
ヒトは「Homo sapiens(ホモ サピエンス)」となります。

学名は基本的に、「属名」と「種小名」を組み合わせて表します。(亜種の場合には「属名」「種小名」の後に「亜種小名」がつきます。)

属名?種小名?よく分からない単語が出てきました。
ではもう一度、上のライオンの動物ラベルの切り取り画像をご覧ください。

「分類 食肉目 ネコ科」と書いてありますね。
これは「分類階級」と言って、動物を「界・門・網・目・科・属・種」の7つの階級を通して、どの動物がどんな先祖から生まれて、姿形や生態を変えてきたのかを辿ることで、それをグループ化し、仲間分けしたものです。
もっと簡単に書くと、この動物はこの動物と同じ仲間!と分けたものが分類階級です。

ラベルでは省略されていますが、ライオンの分類階級で省略せずに表すと、
「動物界・脊椎動物門・哺乳類網・食肉(ネコ)目・ネコ科・ヒョウ属・ライオン」となります。
つまりライオンの学名は、ヒョウ属(属名)のラテン語である「Panthera」と、ライオン(種小名)のラテン語である「leo」が組み合わせれているということですね。

少し話が逸れましたが、この「属名と種小名を組み合わせる」という命名法は、「二名式命名法(二名法)」と呼ばれ、18世紀半ばにリンネと呼ばれる人物が提唱しました。
それ以前の学名はとても長く複雑であったり、同じ種の動物に複数の学名があることもあって混乱したそうですが、「二名式命名法」により見ただけで何の動物の仲間かある程度判断出来るようになったのです。

 

学名で意外と有名なのは、「ゴリラ」の学名。
「Gorilla gorilla gorilla(ゴリラ ゴリラ ゴリラ)」は聞いたことがある方もいるかもしれません。

実は、これは「ゴリラ」の学名ではなく「ニシローランドゴリラ」の学名です。
「Gorilla(属名) gorilla(種小名) gorilla(亜種小名)」となります。

当時「ゴリラ」は一種のみと考えられていましたが、研究が進むにつれ、亜種を含め複数種いることが分かりました。
その際に「ニシゴリラ」を「Gorilla gorilla(ゴリラ ゴリラ)」。「ヒガシゴリラ」を「Gorilla beringei(ゴリラ ベリンゲイ)」と分けました。
そして「ニシゴリラ」の亜種である「ニシローランドゴリラ」は「Gorilla gorilla gorilla(ゴリラ ゴリラ ゴリラ)」。
「ヒガシゴリラ」の亜種とされる「マウンテンゴリラ」は「Gorilla beringei beringei(ゴリラ ベリンゲイ ベリンゲイ)」となりました。

ゴリラだらけで訳が分からなくなってきたので、今回はここまでにしようと思います。
次回は和名に焦点を当てて、写真を多めの記事にしたいと思いますので、おたのしみに!

ご意見をお聞かせください

質問:このページの内容は役に立ちましたか?
質問:このページの内容はわかりやすかったですか?
質問:このページは見つけやすかったですか?

このページに関するお問い合わせ

都市整備部 公園緑地課 桐生が岡動物園
〒376-0056 群馬県桐生市宮本町三丁目8番13号
電話:0277-22-4442 ファクシミリ:0277-22-4442
お問い合わせは専用フォームをご利用ください。