生き物たちが繋ぐ、命のバトン(令和2年8月28日

ページ番号1017318  更新日 令和2年8月28日

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前回のよもやまばなしで、うんちを食べ生活している昆虫たちを紹介しました。今回はその続きとなります。

前回の「好きです、うんち。」の最後にこのような疑問を残しました。
動物がエサを食べればうんちが。死んでしまえばその死骸が。
植物の葉が落ちれば落ち葉が。木が枯れればその枯れ枝が。
どうして、地球上にはその死骸や落葉落枝で溢れないのでしょうか?
といったものです。 なぜでしょう?

そこには糞虫たちと同じように、それらを糧として暮らす生き物たちがいるからです。

積み重なった落ち葉をめくると、どんな生き物たちがいるでしょうか?
ダンゴムシやミミズ、他にも肉眼では見えないほど小さな生き物、微生物たちが沢山います。
実は彼らが、落ち葉や枝を食べることによって、ゆっくりゆっくりと分解され、落葉落枝は土などに分解されます。

陸上で生き物が死んだとしましょう。
新鮮なうちは、肉食や雑食性の生き物たちが集まって食べ、やがて腐った肉は、腐食性の動物や昆虫たちが集まって食べます。
日本ではカラス、イタチやタヌキ。ハエの幼虫であるウジやシデムシ、アリなど様々な生き物たちがいます。中には、その腐肉に集まった虫を食べる鳥たちが集まることもあります。
動物や虫たちが食べない、あるいは食べ残した肉や皮、骨に含まれるたんぱく質は微生物たちが分解していきます。
最後に残った骨の無機物の部分は、長い年月の中で土の中に埋もれていき、雨や土壌の成分によって分解されます。
不快害虫とされるハエ(ウジ)ですが、自然界ではこのようにとても重要な役割を担っています。
死んだ生物の腐肉のほとんどはウジたちが食べています。彼らいなければ、そこら中に生き物の死肉が溢れ、悪臭や疫病で満たされていたかもしれませんね。

死んだ動物を食べる虫であるシデムシの幼虫の写真
死んだ生物をエサとするオオヒラタシデムシの幼虫。
「シデムシ」は漢字で書くと「死出虫」となります。


海の中でも同じように分解が行われています。
海には陸上の生物とは比べ物にならないほど大きな生き物たちが沢山います。その最たるは、世界最大の哺乳類であるクジラです。
死んだクジラのほとんどは、比重の関係でゆっくり海底に沈んでいきます。
大きなクジラの死骸は何十年というとても長い年月をかけて分解されていきます。その間、実に沢山の生き物たちの食料源となり、住処となるのです。
また、深海に沈んだクジラの死骸は「鯨骨生物群集(げいこつせいぶつぐんしゅう)」と呼ばれる独特の生態系を形成します。
クジラの骨を食べる生き物などとても面白いものなのですが、とても長くなってしまうので省略します。
気になった方は是非調べてみてください。

 

植物を食べる昆虫が、カエルなどの小型の両生類、爬虫類に食べられます。 今度は、そのカエルがヘビなどの大きな動物に食べられます。その次はヘビが、タカなどの大型の猛禽類に捕らえられます。
食べては食べられる・・・この一連の流れを「食物連鎖」と呼びます

食物連鎖をイメージしたイラスト
食物連鎖のイメージイラスト

食物連鎖のうち、生きているものを食べるものを「生食連鎖」と呼びます。
植物が地面から得た栄養は、生食連鎖によって虫からカエル・・・巡り巡ってタカの栄養となります。
やがてそのタカが死んだら、前述のように様々な生物の働きを通じて、死んだタカは様々な物質や栄養に変換され、土壌に流れます。そしてその栄養は再び植物たちの糧となるのです。この流れを「腐食連鎖」と呼びます。

このように地球上にうんちや生き物の死骸で溢れないのは、こうした生き物たちの働きがあるのと同時に、命のバトンのやりとりが行われているからなんですね。

私たち人間も、毎日生きるためにご飯を食べますね。 その食べているものは全て、植物であったり動物であったり、生きている命を殺して栄養をもらっています。
「いただきます」「ごちそうさま」は、作ってくれた人への感謝の意もあると思いますが、食材となった生き物たちへの感謝も含まれていると思います。
近年様々な思想がありますが、「可愛そうだから食べない」ではなく「感謝して残さず食べる」ことも大事だと思います。

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