鳳仙寺本堂

ページ番号1002089  更新日 平成28年1月24日

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写真:黒い屋根に白い壁の大きな本堂

指定年月日
平成14年3月12日
区分
桐生市指定重要文化財
所在地
桐生市梅田町一丁日58
所有者
鳳仙寺
構造
入母屋造平入り 銅板茸
桁行9間(19.892メートル)
梁間7間(16.161メートル)
建築年代
享保11年(1726)以前

鳳仙寺は、桐生市の北方緑深い山裾に位置する曹洞宗寺院で、伽藍の規模は市内最大級である。由良成繋が天正2年(1574)に由良家の菩提所として開基した。
境内は本堂のほか、冠木門・山門(楼門)・開山堂・秋葉三尺坊大権現堂・鐘楼・輪蔵・壇信徒館・鎮守三社等がある。かつては本堂と山門をめぐる回廊があり、座禅堂・衆寮(学寮)もあった。
本堂は市内では数少ない八室構成で、大規模な曹洞宗本堂の形式をよく伝えている。前方には一間通りに通り土間と一間通りの広縁がある。建立以来数度の改修が行われ、内外陣境の柱と来迎柱には後世の嵩上げをした改造等がみられる。組物は内外陣境柱筋と来迎柱筋の各柱上に出組を組む。全体に素木を基調とし、内外陣境、須弥壇上部に彩色の彫物を用いているが、当初からの彩色であるかは不明である。昭和62年の改修で広縁の床板を削り直したが、2種類のあり溝が桟のない状態で張られており、建立より現在まで少なくとも3回の修理が行れている。
現在、外陣と両脇間境に柱はないが、小屋裏調査により、柱を吊束へと改造した痕跡がみられる。これは元禄期とされた旧大雄院本堂と同時代の部分が残されている可能性を示している。内外陣境欄間裏には「彫物一枚 鶴松図 施主 高橋小平次 享保11年(1726)」ほかの墨書がある。
当寺には由良成繁、国繁父子連名の古文書ほか、幅広い年代の古文書等が残り、火災や災害の記録、言伝えもない。また、元禄6年(1693)「奉願常法憧之事」の文書から、その後幕府より常法幡・別格地として認められたことがわかり、その30余年後の享保12年(1727)には開基成繁の150年忌の大法要が行われている。本山に次ぐ地位の別格地になったことと、大法要を行うために大改築、明治34年に茅茸から瓦茸に屋根替えをし、小屋組や外陣の天井等が改修された。以上のことから、当本堂は元禄またはそれ以前の遺構を残し、享保11年に改築された本堂と考えられる。
末寺17ケ寺を持った桐生市における曹洞宗の中心寺院の本堂であり、伝統的な八室構成からなる風格のある貴重な建造物といえる。

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