野生動物の出没と対策情報
野生動物が人里に出没し、私たち人間社会の生活区域と一体化しています。
その結果、農林業被害や市民生活に悪影響を与えています。
本市に出没する主な野生動物について、今後の予測と対策方法などをお知らせいたします。
桐生市で出没している主な野生動物と現状
イノシシ
農作物に被害を与えるだけではなく、住宅地にも出没し生活不安が広がっています。
出没地域は、市街中心部を除き、黒保根町・新里町を含めた全域に広がっています。
また、近年、渡良瀬川、桐生川の河川敷内での生息も確認されています。
サル
集団で出没して農作物に被害を与え、また、時には家屋内に侵入します。
集団での出没は、梅田町・川内町及び黒保根町などで多く見られますが、時折、単独、もしくは小集団化したサルが堤町や菱町などで見られることがあります。
サルは人間社会に入り込み易い動物です。決して餌を与えないこと。できるだけ追い払いを行い、近づかないことが大切です。
ニホンジカ
山林の樹木に食害を与えて、育成途中の山林の荒廃を早めるとともに、植林後の新芽を捕食するなどして、林業経営をさらに圧迫させています。
出没地域は梅田町・川内町及び黒保根町の山間地が中心です。
ツキノワグマ
山林のスギ大径樹木の樹皮を剥ぎ取り枯死させる被害が急増しています。
このことが及ぼす影響から森林環境の悪化につながることが危惧されています。
タヌキ
山林に接する人里や、市街地にも出没しています。「可愛い・可哀想だ」として安易な餌付けにより、人間の成人病に相当する症状を起こしてタヌキが病死する場合があります。
ハクビシン
果樹などが好物で、人家の軒下や天井裏などに棲み付き、糞尿などで非衛生的となります。山間地や果樹園、果樹などがある市街地に出没しています。
全国、関東近県で出没し、拡大が危惧される野生動物
アライグマ
天井裏や畜舎などに棲み付くことがあり、糞尿などによる疾病の媒介者となることが危惧されています。
シマリス
関東地方で話題となっている。
電線被覆を噛み切るなどの被害が見られる。
注:この二種類の動物は、ペットを放棄したことから野生化したと言われており「捨てるなら飼わない・飼うなら一生大切に飼育する」という気持ちが大切ではないでしょうか?
これらの外来生物は野生動物として生息することで、多くの問題が生じるため、国の指導により積極的に捕獲しなければなりません。
野生動物の出没要因
近年、野生動物が人里に出没する要因は定かではありません。
しかし、次の要因が考えられるのではないでしょうか?
- 自然保護の普及により生息数が増加している。
- 狩猟人口が激減し、適正な生息数のバランスが崩れているのではないか。
- 厳しい自然界で生きる野生動物に対し、さらに厳しい自然環境の変化が起きている。
- 山林が手入れ不足となり、人里近くに棲みやすい藪地が発生していると同時に自然界(山の中)の餌よりおいしい農作物などがある。
- 「野生動物を餌付けする」ことなど、動物愛護に対する誤解があるのではないか。
有害鳥獣捕獲(イノシシ)と自主防除
野生動物の出没被害を防止するための対策としては、生息頭数の削減(取ること)、守ること(餌を与えない・食べさせない・藪地を増やさない)が、基本ではないでしょうか?
- 生息頭数の削減については、狩猟や有害鳥獣捕獲行為によって、主に狩猟者や行政等が担っています。
- 守ること(餌を与えない・食べさせない・藪地を増やさない)については、出没地域で被害を受けている 一人ひとりの自主防除や地域活動が大切です。
捕獲檻を設置しただけで、答えがでるものではありません。
「守る・獲る」ことのどれが欠けても効果は上がりません。
※有害鳥獣の捕獲は、桐生市が編成する有害鳥獣捕獲隊により要所に設置した捕獲檻により捕獲活動を行っております。その他に檻の設置を求める場合、また個人で捕獲を行おうとする場合は法令で基づく狩猟免許や許可申請などが必要となります。詳しくは、必ず農林振興課へご相談ください。
住宅に棲み付き、被害を与えるハクビシン、アライグマなど外来生物やドバト、カラスについては、個人から依頼を受けた資格者を有する民間業者さん、または本人が市へ捕獲許可申請を行い、有資格者でなくても限定された用具により有害鳥獣捕獲を行うことができます。内容についてはご相談ください。
耳寄り情報
アパート、マンション等にお住みの方からハト被害の相談が数多く寄せられます。
鳥類は羽に絡みつくような物が嫌いなようです。
細い糸状のものを垂らすか、防鳥ネットが効果的です。
市が行う有害鳥獣捕獲行為は、農林業を含め、一定地域の複数の住民(不特定多数)が受けている被害を防止するための手段として行っています。
野生鳥獣の種類別防除対策
共通の注意点
定着を防ぐ環境づくり
- 雑草の繁茂した空き地はイノシシなどの野生動物にとって格好の隠れ場所になり、そのようなところはそれらの動物と唐突に遭遇する恐れもあります。
クマやイノシシ被害を防ぐためには適切な空き地管理も重要です。 - 不要となった実のなる木は整理する。
収穫しない栗や柿の木、不要となった桑の木は放置させるとそれらの実がクマやイノシシなどの野生動物を呼んでしまいます。 - 野菜くずや生ゴミを安易に放置しない。人間の食物の味を覚えると人家近くに定着してしまう恐れもあります。
このような取り組みを地域全体で行うことで、野生動物からの被害を減少させる環境づくりを行うことが大切です。
イノシシ
地域への侵入を防ぐ。
- 田畑や住宅地域への侵入を防止することによって、出没地域一帯に設置されている捕獲檻にイノシシを誘導し、捕獲する効果があります。
イノシシの侵入を防ぐもっとも有効な手段として地域での共同設置による比較的安価な電気柵が普及しています。電気柵は簡易な乾電池式と太陽光を利用した本格的なソーラー型があります。
小面積・短延長であれば乾電池式、共同で広い面積や延長であればソーラー型が有効と思われます。
- 犬を連れての散歩はご用心
イノシシは興奮すると突進します。
吠え立てる犬に突進するため、リードを手離さない飼い主も体当たりされることがあります。
多くのイノシシ人身被害はこのような事例との報告もあり、イノシシに遭遇した際は犬には申し訳ありませんがぜひリードを離してください。
サル
餌を与えない。
- 「餌付け」、「野菜、果物等の放置(取り残しや墓地の供え物)、「生ゴミ等廃棄」
追い払いを行う(直接被害が出ていなくても)。
- 人は怖い存在、集落は怖い場所と認識させる。
- 見つけた人が見つけた時に追い払うことも重要です。特定の人だけが追い払いをすると、他の人を怖がらなくなる傾向があります。
クマ
クマに出会わないために
- ハイキングやキノコ狩りなどで山に入る時、森の近くで農作業や散歩などをする人はラジオ、鈴など音が出るものを携行する。
これはクマは本来、警戒心が強い動物であることから、その性質を利用して、臭いや音を出すことで先にクマの方から人間から逃げていくように仕向けましょう。 - 山林内での飲食を控える。
- ゴミの持ち帰りをする。
これはカラスのように人間の食べ物の味を覚えると、人里に依存した生活を送るクマを生み出します。 - クマは朝夕の涼しい時間帯の行動が特に活発になります。山林内に入るときは特に注意し、自分がクマの領域に入っている意識を持つようにしましょう。
クマに出会ってしまったら
- 遠くにいる場合は、落ち着いてその場から立ち去りましょう。
クマがあなたに気づいていないようであれば、静かにその場から立ち去りましょう。 - 近くにいる場合は、ゆっくり後ずさりしながら遠ざかりましょう。
クマから目を離さず、向き合ったままゆっくり後ろにさがりましょう。お互いに興奮を静めることができます。 - 走って逃げることは、なるべく避けましょう。
個体差がありますが、動物には「逃げるものを追う。」という習性があります。あせらずゆっくり離れましょう。 - かわいい子グマがいたら、母グマがそばにいるかもしれません。
子グマの近くに母グマがいますので、静かにその場から立ち去ってください。
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産業経済部 農林振興課
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