ショップ&ギャラリー象(かたち)【桐生市商業者情報発信サイト】

ページ番号1021199  更新日 令和4年10月31日

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事業内容:ギャラリー、飲食料品・雑貨販売、飲食店(カフェ)
キーワード:桐生市空き店舗活用型新店舗開設・創業促進事業補助金

写真:店舗外観

気軽に美術に触れられる場所

写真:オーナーの丸尾さん

古き良き街並みが残る桐生市の重伝建地区。本町通りから路地を少し入った場所に佇む古民家が、アートの発信拠点として新しく生まれ変わりました。オーナーの丸尾さんが「ショップ&ギャラリー象(かたち)」をオープンさせたのは令和4年2月。「たとえ美術に興味がない人でも、ふらっと立ち寄れて、気軽に美術に触れられる場所になれれば」とお店のコンセプトを語ります。
明治中期に建てられた古民家をリノベーションし、ギャラリーとカフェを併設した空間になっている象(かたち)では、柱や梁などが当時のまま残り、実に趣きのある雰囲気に。中でも目を引くのが店内にぐるりと設置された縁側で、訪れた人たちはその縁側に座って、カフェを楽しみながら、まるで自分の家の縁側から眺めているかのように美術を身近に感じることができます。

美術嫌いだった過去

写真:店舗内観

父は彫刻家の丸尾康弘さん、母は画家の難波多輝子さんという芸術一家に生まれた丸尾さん。幼少期から美術が身近な存在だったからこそ、ずっと美術に対しての反発心が強かったそうです。「子どもの頃、休日はいつも美術館めぐり。自分が記憶しているギャラリーは、しーんと静まり返ってて、はしゃぐこともできない退屈な空間だった」と丸尾さん。そんな幼少期の体験から、ずっと美術に対して背を向け、いつしか両親にも反抗するように。学卒後は、美術とはまったく関係のないサラリーマンの道を選びます。
転機が訪れたのは25歳になった頃。ふとこれからの職業人生を考えたとき、“自分のやりたいこと”を仕事にすることの尊さに気付かされたのがきっかけだったとか。「当時の仕事に不満があった訳ではなかったんです。でも、父のアトリエを何気なく訪れたとき、彫刻という“自分のやりたいこと”に全身全霊を捧げている父の姿を見て、自分の中で美術に対する考え方が180度変わりました」と丸尾さん。

見る側の立場から作る側の立場へ

写真:少年のオブジェ

自分のやりたいことに打ち込む両親。そして、その二人に対して抱いたリスペクトの気持ち。振り返れば、自分は両親の仕事を通して、美術に育てられ、美術にご飯を食べさせてもらってきたのではないか。そう考えた丸尾さんは、これからは美術に恩返しできる仕事に携わりたいと、一念発起してアートマネジメントを学ぶためにヨーロッパへの留学を志します。
そんな矢先に新型コロナウイルスが流行し、留学を断念せざるを得なくなった丸尾さん。それでも諦めずに“自分のやりたいこと”を実現すべく次なる行動を起こすと、働いて貯めた留学資金を元手に象(かたち)のオープンに向けて奔走します。「今までの自分は、あくまで美術を“見る側”にすぎなかった。でも、両親の製作現場に立会い、作品の一つ一つに作り手の想いや情熱、苦悩が宿っていることを学び、ならば“作る側”の立場になって、こうした作品のストーリーを身近に感じてもらえる“ギャラリー”を作ろうと」

美術と人、街をつなぐ拠点として

写真:山鹿灯篭オブジェ

象(かたち)のオープンに際しては、「桐生市空き店舗活用型新店舗開設・創業促進事業補助金」を活用したという丸尾さん。「補助金による資金的な後押しは本当に大きかったし、桐生商工会議所からも手厚いサポートがあってとても有難かった」と当時を振り返ります。
趣きある引き戸を開けて入店すると、店内を流れる心地よい音楽と、コーヒーや紅茶の芳しい香りに迎えられる象(かたち)。そこは、美術鑑賞を通して訪れた“人”たちが交流する拠点であり、“街”同士がつながる拠点でもあるといいます。「父の生地である熊本県山鹿市にもアトリエがあり、自分も数え切れないくらい桐生と熊本県を行き来していて。そこで出会った伝統工芸や特産物の作り手も、自分にとってはアーティストだと。これらの作品が持つストーリーが面白くて、ぜひ桐生でも紹介したいし、逆に桐生のアートや伝統工芸、特産物を熊本の人たちにも知ってもらえる拠点になれれば」と最後に語ってくださいました。

編集後記(職員から一言)

写真:店舗看板

象(かたち)を取材して特に印象に残ったのが、「美術を身近に感じてもらいたい」という丸尾さんの言葉。確かに「美術鑑賞」となると、どこか非日常的で、敷居の高さを感じてしまうものなのかもしれません。そんな美術の持つ“敷居の高さ”を取り払いたいという想いから生まれた象(かたち)では、ぐるりと囲むように設置された縁側に座り、お茶を楽しみ、談笑しながら美術作品を味わえる空間となっています。
実は、筆者自身も子どもの頃に連れていかれた美術館で、途方もない"退屈さ”を感じてしまった一人。そんな私でも、気軽に足を運べるギャラリーが街なかにあるのは、何とも嬉しいことだと思います。おすすめは山鹿の和紅茶。マイルドで香り高い味わいが気に入っています。えっ、美術じゃないって?!いえいえ、お茶の生産者だってアーティストです。

写真:山鹿和紅茶

店舗情報

店舗名
ショップ&ギャラリー象(かたち)
所在地
桐生市本町一丁目1番3号
代表者
丸尾万象
事業内容
ギャラリー、飲食良品・雑貨販売、飲食店(カフェ)
電話
0277-32-3648
営業時間

午前11時~午後6時

定休日

火曜日、水曜日

二次元コード(インスタグラム)

店舗地図

地図

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