十坊(てんぼう)【桐生市商業者情報発信サイト】
事業内容:刺繍、アパレル・小物販売
キーワード:起業・創業に関する無料相談窓口、桐生市空き店舗活用型新店舗開設・創業促進事業補助金、中心市街地空き店舗活用支援資金融資制度
きっかけはモデルという仕事
桐生市本町一丁目に刺繍工場兼アパレルショップ「十坊(てんぼう)」を開業した坂下さん。
開業までのストーリーを伺うと、話は大学時代まで遡ります。都内の大学に進学し、バーでアルバイトをしていた坂下さんは、そこでスカウトを受けモデル活動を始めます。「もともとファッションに興味があり、モデル活動を続ける中でアパレル関係者との接点が増えた」と坂下さん。服を作る側の仕事を目の当たりにして、特に興味を持ったのが「刺繍」でした。「刺繍は、絵画でもなく、立体物でもない2.5次元の独特な世界。糸の重なりで表現する刺繍の技術に大きな可能性を感じました」と当時を振り返ります。小さい頃から自ら起業することを夢見ていた坂下さんにとって「刺繍」が選択肢の一つとなった瞬間でした。
アメリカの文化に触れて
その後、大学を中退して単身渡米。サンフランシスコやロサンゼルスなどで3年間モデル活動に励んだ坂下さんは、そこでの生活であることに気づきます。「アメリカ西海岸の古き良きお店を訪れると、店員と客との距離がとても近く、訪れた客が気軽に作業風景を見ることができるし、コミュニケーションがとてもフランクなんです」と坂下さん。この経験がその後の起業に大きな影響を与えることになります。
帰国後は地元桐生に戻り、刺繍会社に就職。そこで4年間刺繍の技術を磨き、令和2年8月に夢であった独立を果たします。大学時代からのモデル活動とアメリカでの生活、そして刺繍会社での経験を経てオープンした「十坊(てんぼう)」は、今まで坂下さんが思い描いてきた理想の刺繍工場を体現させたものとなりました。
築100年超の織物工場跡
出店場所となった築100年超の旧早政織物工場は、桐生でもめずらしいマンサード屋根の構造となっており、工場内に柱がないのが特長。趣きのある広々とした空間が一目で気に入った坂下さんは、アメリカ西海岸で見た古き良きお店の光景と重ね合わせます。「ここなら訪れた人が刺繍の現場に触れられる工場ができると思いました」と坂下さん。これまでのように都内のアパレルメーカーに刺繍を納品するビジネスだけでなく、工場を訪れた個人客の好みのデザインを無地のTシャツに刺繍し、その場で渡すビジネスも展開。刺繍済みの服や帽子などの販売も行っており、客は刺繍作業を目で楽しみながらお気に入りの刺繍製品を買うことができます。「日本とアメリカ双方の古き良き部分が融合したこの刺繍工場で、沢山の人たちに刺繍の魅力を知ってもらいたい」と語る坂下さん。夢の実現はさらなるステージへと進んでいきます。
新たな事業展開へ
十坊(てんぼう)の開業にあたり、「不安がなかったわけではない」と坂下さん。そんな時に活用したのが、桐生市の「起業・創業に関する無料相談窓口」でした。「開業の手続きなどを手取り足取り教えてくれて、本当にありがたかった。加えて『桐生市空き店舗活用型新店舗開設・創業促進事業補助金』や、桐生市の制度融資である『中心市街地空き店舗活用支援資金融資制度』の利用について様々な角度から助言をもらえたのも大きい」と話します。
坂下さん曰く、起業して一番良かったことは「自由に展望を考えられること」だそうです。開業してから順調に成長を遂げている十坊(てんぼう)では、今後の事業拡大を見据えてジャカード刺繍ミシンの増設を予定しているとのこと。「今はOEM生産(取引先ブランドによる刺繍生産)がほとんど。でも、今後は自らがデザインした刺繍製品を開発して店舗販売していきたい」とこれからの事業展開を語ってくださいました。
編集後記(職員から一言)
築100年超の織物工場を活用した趣きある外観。そして、一歩足を踏み入れると、古き良き部分を残しつつ、坂下さんらしい遊び心が加わったおしゃれな空間が広がります。新型のジャカード刺繍ミシンが発する音を聞いていると、その昔、この場所で何台もの織機が動いていた頃の情景が思い出されて(或いは、想像されて)、織都桐生に思いを馳せながら、最先端の刺繍を楽しむことができる場所となっています!
ちなみに、「桐生市空き店舗活用型新店舗開設・創業促進事業補助金」は、令和2年度から中心市街地においては、一定期間使用されていない店舗だけでなく、事業所や工場、住宅を改修し、店舗や事業所を開設する場合も対象となりました。十坊(てんぼう)さんの場合、空き工場の改修に適用された第1号案件です。
店舗情報
- 店舗名
- 十坊
- 所在地
- 桐生市本町一丁目4番13号
- 代表者
- 坂下天
- 事業内容
- 刺繍、アパレル・小物販売
- 電話
- 080-4834-1992
- Eメール
- tenbouemb@gmail.com
- 営業時間
- 午前9時~午後7時まで
- 定休日
-
不定休
※営業時間や定休日は、情報掲載時より変更されている場合もありますので、ご確認の上ご利用ください。
店舗地図
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このページに関するお問い合わせ
産業経済部 商工振興課
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