虚空蔵菩薩像
- 指定年月日
- 昭和48年8月21日
- 区分
- 県指定重要文化財
- 所在地
- 黒保根町上田沢326(医光寺)
本像の体容は、頭部に宝冠をいただき、その下部に毛髪をのぞかせ、びん(頭の左右側面の髪)は耳を半ば被い、後部はすきあげて結髪の容相をうかがわせている。顔はやや長めで、鼻は鋭く眉は左右に長く半月を画き、まなじりはやや上がり小鼻は比較的左右に張っているが、頬は痩せ顎に肉の盛りあがりが少ない。
三道(三段になっている首の線)は形式化している。右手は臂(ひじ)を趺坐(ふざ=足を組んで座る)の腿(もも)の上に置き掌(てのひら)を上向きにして与願印(手を下げて手の平を前に向けた印相)をとり、左手は同様に臂で折って、掌の上に宝珠を捧げているため左肩が右肩よりやや高めである。衲衣(のうえ=僧の着る法衣)は通肩(つうけん=僧衣を着する際、両肩を衣で覆うこと)で、袖先は膝の線に沿って丸く納め、裾部は組んだ脚の前方に広げられその端は円形にまとめてある。肩も胸も張って小型ではあるが堂々としている。
法量は総高36センチメートル、像高(冠共)20センチメートル、冠高3.7センチメートル、顔面長(髪のはえぎわから三道上まで)4.6センチメートル、全幅(鼻の下)4センチメートル、身高(襟上から)12.1センチメートル肩幅9センチメートル、膝高3.4センチメートル、同幅13.5センチメートル、座高16センチメートル、蓮台高5.5センチメートル、敷茄子(しきなす)座高2.7センチメートル、反花(かえりばな)座高3.3センチメートル、二重框座(かまち=台座のこと)高3.1センチメートルである。冠は6角、蓮華座及び反花座の蓮弁は各6葉二重、框座は6花文型である。
銘文が背一面に陰刻され、永禄元年(1558)造立と記されている。在銘の仏像が希少な時代の基準となるものであり、虚空蔵が赤城山小沼神の本地仏であることも明らかで、神仏習合時の典型的な遺物として「神道集」などの伝承を如実に証明している。
本像はもと赤城山頂小沼の東の虚空蔵岳(俗称小地蔵岳)の堂宇内に安置されていたものであるが、明治末年に堂宇の荒廃により破損するのを恐れ医光寺に納めた沿革がある。
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