森合資会社事務所・店蔵、森家住宅石蔵(旧穀蔵)

登録文化財について
- 名称・員数
- 森合資会社事務所(もりごうしがいしゃじむしょ)1棟
森合資会社店蔵(もりごうしがいしゃみせぐら)1棟
森家住宅石蔵(もりけじゅうたくいしぐら)(旧穀蔵[きゅうこくぐら])
1棟 - 区分
- 国登録有形文化財(建造物)
- 登録年月日
- 平成17年7月12日
- 所在地
-
森合資会社事務所・店蔵:群馬県桐生市本町1丁目3-11
森家住宅石蔵(旧穀蔵):群馬県桐生市本町1丁目3-9 - 公開等
- 森合資会社事務所・店蔵:事業所として営業中のため内部は非公開
森家住宅石蔵:天然染色研究所として営業中(開業時間午前10時00分~午後4時00分不在時あり) - 駐車場
- 無し
森合資会社・森家住宅の構成

森家について
森家は桐生新町の起点である天満宮の門前で、大鳥居から本町通りを150メートルほど南下した本町1丁目に所在する。本町通りに東面し北から南へ森家住宅石蔵、門を挟んで森合資会社事務所・店蔵が並ぶ。敷地は桐生新町当時の屋敷割りの3軒分に及ぶ。なお、森家の所在する本町1・2丁目地区は起点である天満宮とともに桐生市桐生新町重要伝統的建造物群保存地区に選定されている。
森家は19世紀前半に関西地方から来住したと伝えられる桐生の名家である。明治時代前半から大正時代に活躍した二代目森宗作は、金融業と土地経営によって桐生町最大の資産家となった。明治22年に町会議員に当選し、以後10期務めたほか、第四十銀行頭取に就任し、桐生織物学校や桐生高等女学校の設立、桐生倶楽部の前身である桐生懇話会の創設など、政治、経済界のみならず教育、文化面についても多大な貢献をした。
森合資会社は明治37年に森商店から名称を改めて現在に至り、平成16年度に100期目の決算を迎えている。
森合資会社及び森家の敷地内は歴史的な景観が保存され、森家の主屋を始めとする付属建物の他、土蔵などが建ち並ぶ。
森合資会社事務所・店蔵
森合資会社事務所
構造形式:木造平屋建、瓦葺、建築面積:76平方メートル
建築年代:大正3年
桁行10.9メートル梁間7.3メートル(柱間12尺)、総高5.5メートル
正面のみ切妻造他寄棟造桟瓦葺、和小屋とする。外壁は白磁タイル張、内壁は鼠漆喰塗り仕上げとする。屋根形式は、北側2間の棟を南北に、南側2間を東西にし、2棟を直行させて繋ぎ、西面下屋庇(銅板瓦棒葺き)を付ける。小屋組は、大梁上に貫で緊結した束を立て、棟木・母屋を受け、垂木、小舞野地をのせる簡素な構造とする。材料は軸組をヒノキ、小屋組はマツを使用する。当初は軒下まで銅版が張られ、窓には銅製鋳物の手摺がはめ込まれていたが戦時中に供出され、現在は痕跡のみが残る。建築年代については、棟木の墨書から大正3年に建てられたことがわかる。
本町通りに面した外観は大正期の雰囲気をよく伝え、重要伝統的建造物群保存地区を形成する重要な要素であり、ほぼ創建当時のまま継続して事務所として使用されていることは歴史的にも評価される。
注:柱間(はしらま)日本建築で用いられる用語、柱の中心から中心までを計測した値。1尺=約30.3センチメートル
森合資会社店蔵
構造形式:土蔵造2階建、瓦葺、建築面積:82平方メートル(付属屋を含む)
建築年代:明治時代
桁行9.4メートル梁間5.6メートル(柱間6.2尺)、総高8.1メートル、土蔵造、切妻造桟瓦葺とする。小屋組は三重梁を束で支持する。材料はマツを使用する。外壁は漆喰仕上げささら子下見板張、二階内壁は漆喰仕上げ、一階内壁は板壁仕上げとする。
店蔵に事務所を付け足した形となっており、北側に開く出入り口と事務所を板敷きの蔵前でつなぐ。建築時期は事務所より古く明治時代と推定される。
現在も事務所の倉庫として使用されており、事務所と共に本町通りの景観として欠くことのできない建物である。
附属屋
構造形式:切妻造桟瓦葺、和小屋造
桁行16.8メートル梁間1.9メートル(柱間6.2尺)、南・西面の外部に面する壁は土蔵造とし、外壁はささら子下見板張とする。敷地の内に面する壁は土壁鼠漆喰仕上げ窓下下見板張、室内壁は中塗りで仕上げる。附属屋は現在物置として利用されている。附属屋の先は防火壁として高さ3メートルの石塀が敷地の南に設けられ、西側の裏門へと続き、現在は失われているが北側の土塀へと続いていた。
森家住宅石蔵(旧穀蔵)
構造形式:石造平屋建、瓦葺、建築面積:50平方メートル
建築年代:大正3年
桁行9.6メートル梁間8.7メートル、総高6.4メートル、石造(南・西面)、土蔵造(北・東面)和小屋とする。
屋根は寄棟造桟瓦葺、背面屋根に換気管を設ける。外壁は漆喰仕上げささら子下見板張、内壁白漆喰仕上げ(和室部は黄色)とする。西面下屋庇(鉄板瓦棒葺)付きとする。下屋庇は、現「天然染色研究所」開設時に増築したものである。内部は土間コンクリート仕上げとし、室の北側に仮設的な和室(6畳、3畳)を設ける。材料はマツを使用する。
森家の穀蔵として建てられたもので、梁に「大正三年甲寅三月三日」との墨書があり、森家に伝わる文書「修繕・日雇・薪炭帳」の大正3年3月3日の項に「石蔵上棟」と墨書に符合する記述が見え建築年代が特定できる。
外壁は漆喰塗りで土蔵造風であるが、内壁は漆喰塗りが薄く石積みの痕跡を見ることができる。石材は薮塚産と考えられる溶結凝灰岩を使用している。屋根背面には換気口が2個取り付けられている。
道路に面する開口部は、昭和36年に農機具店として利用するために改修したもので、店舗では種苗の販売も行い森宗農機商会として市民に親しまれていた。平成12年(2000年)現在の研究所長により「天然染色研究所」(てんねんそめいろけんきゅうじょ)として開設され、自然素材による染色の研究、草木染や織物体験などの普及活動を行っている
本町通り西側に東面して立ち並ぶ森家住宅石蔵と門、森合資会社の事務所・店蔵は、本町1丁目を代表する建物であり重伝建地区の歴史的景観を形成する。
森合資会社所在地
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