旧赤城山鋼索鉄道赤城山頂駅駅舎及びプラットホーム

ページ番号1013412  更新日 令和6年10月4日

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写真:赤城山頂駅 駅舎・プラットホーム

登録文化財について

名称・員数
旧赤城山鋼索鉄道赤城山頂駅駅舎及びプラットホーム 1棟
(きゅうあかぎさんこうさくてつどうあかぎさんちょうえきえきしゃおよびぷらっとほーむ)
区分
登録有形文化財(建造物)
登録年月日
平成30年5月10日
所在地
群馬県桐生市黒保根町下田沢字赤面国有林413ほか
構造形式

駅舎
 鉄筋コンクリート造、地下1階、地上2階建 
 屋根鉄骨造金属板葺、一部鉄筋コンクリート造陸屋根
 建築面積201.46平方メートル

プラットホーム 
 鉄筋コンクリート造、頭端式2面
 建築面積151.98平方メートル、延長19.36メートル

※頭端式(とうたんしき)とは上から見た形が櫛形を形成するプラットホームのことで、平行するホームが2面以上設置されている。赤城山頂駅も駅舎側の乗降口が櫛の元部分でプラットホームが歯にあたる。 

年代
昭和31年(1956)赤城登山鉄道施設建設
        赤城山鋼索鉄道施設・ロープウェイ・リフトほか
昭和32年(1957)7月21日赤城山鋼索鉄道開業
        利平茶屋 - 赤城山頂間の運行を開始
昭和42年(1977)11月5日 全線休止
昭和43年(1968)6月1日 全線廃止

旧赤城山鋼索鉄道赤城山頂駅駅舎及びプラットホームの概要

俯瞰写真・平面図

 旧赤城山鋼索鉄道赤城山頂駅駅舎及びプラットホームは、前橋市から赤城山上の終点へ至る県道16号(大胡赤城線)と、県道70号(大間々上白井線)との交点、赤城山の小地蔵岳北東、鳥居峠(標高1390メートル)上に存在する。
 赤城山鋼索鉄道は、赤城山の東麓、旧黒保根村水沼から、赤城山信仰に係る一の鳥居(消失)、二の鳥居を経て、利平茶屋から鳥居峠を越え赤城神社へ至る登拝道上の利平茶屋駅から鳥居峠上の山頂駅間をケーブルカーでつなぐ路線として、赤城登山鉄道により運営されていた。
 旧駅舎の建物は、内外を改修して現在は「赤城山頂記念館 サントリービア・ハイランドホール」の名称で営業している。
 観光施設への用途変更を行うために、旧駅舎の北及び西側の下屋を撤去し、その部分を増築して密閉空間とするため外壁を設けた。1階増築部分にはトイレや厨房、客室を新たに設けた。北側増築部分の2階には、赤城山の内輪と大沼、覚満淵を望む大きな窓を設け展望室とした。
 かつての事務所と宿直室の間仕切を撤去し、改札と運転室も取り除き旧待合室とあわせ売店と飲食のできるテーブル席の客席を設けた。天井を撤去し屋根の下地を現しとし、天窓を設け明るい開放的な大空間とした。 壁面には旧赤城山鋼索鉄道関係の資料を展示している。開け放しであったプラットホームの出入り口は閉鎖し、壁面に設けられた窓からは鋼索鉄道の遺構と桐生市黒保根町方面が望める。地下は機械及び動力室であったが現在は倉庫として使用されている。プラットホームの覆屋も撤去され、鉄筋コンクリート造の地形に合わせた急勾配の階段が残されている。

赤城登山鉄道について

赤城登山鉄道の営業時の写真

 赤城登山鉄道の母体であった東武鉄道株式会社は、関東地方1都4県で鉄道路線の運営ほか交通、不動産、観光・開発事業を展開する東武グループの一員である。
 東京都の浅草駅から群馬県内の新大間々駅(後に赤城駅に改称)の路線を持つ東武鉄道株式会社は、赤城山の観光開発のため首都圏と群馬県の赤城山を結ぶ回遊ルートを計画した。
 前橋駅・中央前橋駅から赤城山へ至るバス路線として、赤城大洞 - 赤城山頂間を結び、さらに、桐生駅 - 赤城駅 - 水沼駅 - 利平茶屋間の運行を開始し、利平茶屋から赤城山頂へは赤城山鋼索鉄道を開通し急峻な斜面を上るケーブルカーで繋いだ。 昭和32年(1957)首都圏と赤城山を結ぶ交通網が完成し、四季を通じて楽しめる観光地として赤城大沼を中心とした一帯は盛況を極めることとなった。しかし、その後の自家用車の普及と前橋・赤城山頂間の道路交通網の整備・改良により、道路整備が遅れた桐生市~旧黒保根村の利平茶屋駅から赤城山頂へ至る赤城山鋼索鉄道の利用者は激減し、開業から10年余りの昭和43年(1968)6月1日に廃止となり、線路や鉄橋などが撤去された。

※鋼索鉄道とは ケーブルカーとも呼ばれ、鋼索(ケーブル)に繋がれた車両を巻き上げ機により運行する鉄道で、車両に動力は無く、運転手は駅舎等の建物内でケーブルの操作等を行い運転する。

写真 紅葉の赤城山中を走るケーブルカー

現在の旧赤城山頂駅

写真 飲食店として営業する現在の赤城山頂駅

 旧赤城山頂駅は、赤城登山鉄道の廃業後、昭和58年(1983)民間事業者の借入により「展望レストラン」として営業を開始し、その後、現所有者が営業を引き継ぎ建物を取得した。平成 6年(1994)に「赤城山頂駅記念館 サントリー ビア・バーベキューホール」と改称し、店内には赤城山鋼索鉄道の建設写真や、往事の写真、切符などの資料展示を行う。 平成14年(2002)には、有限会社大沼山荘に経営権が移され、令和4年「赤城山頂駅記念館 サントリー ビア・ハイランドホール」に改称し現在に至る。
 利平茶屋駅周辺は桐生市営の利平茶屋森林公園として整備され、 駅舎跡には東屋が建ち、ホーム跡が残る。 山頂駅に至る経路上には線路跡や橋脚、中間点のケーブルカー交差部跡なども現存している。

昭和32年開業時のケーブルカーの運行と山頂駅プラットホーム利用者

地図

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   埋蔵文化財係 0277-46-6468
ファクシミリ:0277-46-1109
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