前田利家新田老母宛書状
- 指定年月日
- 昭和38年3月26日
- 区分
- 桐生市指定重要文化財
- 所在地
- 桐生市宮本町一丁目4-18
- 製作年代
- 天正18年(1590)
由良成繁の妻輝子は、邑楽郡青柳城主赤井家堅の女で、天正6年(1578)に夫成繁の他界した後は、薙髪して妙印尼と称した。資性男まさりの勇武の婦人で天正12年(1584)にその子国繁、顕長兄弟が北条氏政、氏直父子の術中におちいり、小田原城に拘禁されたとき一族郎党を集めて金山篭城を計画し、北条氏の猛烈な攻撃に耐えて陥落を免れ、和談となり兄弟を無事帰城させることができた。
ついで天正18年(1590)の豊臣秀吉の小田原城攻めの際は国繁、顕長兄弟が小田原篭城軍に参加しているのにもかかわらず、断然北条方に反対し、77歳の老体をもって自ら嫡孫貞繁をたすけ300騎の兵をひきいて桐生城を発し、中山道を東下してきた上方軍前田利家、上杉景勝の幕下となって松井田城を攻略した。この年の6月7日妙印尼は前田、上杉両将のとりなしによって小田原城下で秀吉に謁し、あつい感賞の辞をいただき、戦後五千石の領地をたまわった経緯のわかる書状である。
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