大梨子の磨崖仏
桐生市指定重要文化財
大梨子の磨崖仏(おおなしのまがいぶつ)
- 指定年月日
- 昭和46年10月1日
- 区分
- 市指定重要文化財
- 所在地
- 桐生市新里町関340
- 構造形式
-
- 安山岩製
高さ 180センチメートル
巾 190センチメートル - 千手観世音菩薩(せんじゅかんぜおんぼさつ)中央
像高 38センチメートル
像巾 12.5センチメートル - 地蔵菩薩(じぞうぼさつ)向かって左
像高 29センチメートル - 不動明王(ふどうみょうおう)向かって右
像高 36センチメートル
- 安山岩製
- 年代
- 享和年間(1801~1803)伝承
大梨子の磨崖仏は、桐生市新里町の中央部を横断する国道353号線、関の交差点北側の観音山(標高320メートル)山頂付近の南側斜面に存在する。
磨崖仏は赤城山の泥流によって運ばれてきた安山岩の南側平面に線刻され、中央に千手観世音菩薩、左に地蔵菩薩、右に不動明王を配し、向かって左端に北爪吉太夫の銘が刻まれている。
中央に大きく刻まれた千手観世音菩薩は舟形光背の前に合掌し、方形二段の台座上の蓮華座に立つ。不動明王は、やや識別しにくいが右手に降魔の三鈷剣(さんこけん)、左に悪を縛る羂索(けんさく)を持つ。地蔵菩薩は錫杖(しゃくじょう)を持ち共に方形の台座上に立つ。
磨崖仏建立に関わる逸話として以下のものがある。新里村大久保で裕福な暮らしを営んでいた北爪吉太夫は、度重なる不幸にみまわれたため、仏の加護を求める旅に出た。諸国を巡礼し仏の御心を会得した吉太夫は、観音山の自然石に向かい一心に仏の姿を刻んだと伝えられている。
かつての陰暦の10月9日には、観音山に多くの人が参詣し賑わいを見せていた。
千手観世音菩薩は、迷い苦しむ人を悟りの彼岸へ渡し、不動明王は、大日如来の化身といわれ五大明王の中心でもある。仏法の守護者として衆生の煩悩を絶ち、救いへと導く。地蔵菩薩は出家僧の姿をとり、地獄・餓鬼・修羅など六道を巡りながら、人々の苦難を身代わりとなって救うとされている。
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